つながり

田舎に帰りました。
自分が小さい頃に良くしてくださった方が亡くなったと聞きました。
もう80歳も後半ではなかったかと思います。
70歳を超えても、元気に町の運動会で走っていたと聞いていました。
奥さんを数年前に亡くされて以来、一度お会いしたきりでした。
また顔を見に行こうかな、なんて思っていた矢先だったので、少し驚きました。
心に穴が開くとは、こんな感じなのかな。
いつまでも元気でいてくれると、当たり前に思っていたけれど、そうではないのですね。



丈夫な体を持ち、子供達にはサッカーを教え、幼稚園に自転車でパンを届けていました。
夏になるといつも「アイス食べてええぞ」と好きなのを一つ食べさせてくれました。
田舎によくある文房具屋というか、だがし屋というか、小さな店でしたが、
目の前の中学校の生徒にとっては、ノートを調達したり、ラムネを飲んだりできる場所でした。


おっちゃんは厳しかったけれど、相手のためを思っての真剣な厳しさでした。
「深呼吸が大事」というのが口癖で、息を十分に吐くようにとも言っていましたね。
自分が太極拳をはじめてつくづく思いますが、息を吐ききるのって大変ですし、息を吸うのを我慢するって、きついです。結構我慢が要りますね。
なのでうまく深呼吸できると、なんだか自分が強くなったような気がします。


血のつながりなどない自分にも、真っ直ぐに遠慮なく向き合ってくれたことは、
必ずしもこの世での繋がりや、それ以降の繋がりにも、血は必要ではないということですね。
そのうちお参りには行きたいと思っています。