訪問者

田舎に行ってみたいと言う方たちが何人かいて、今回はその第一弾(一人目)ということで大学時代の友人と帰ってきました。田舎に興味を持ってもらえることは、とっても嬉しいですよ。あんな所でも良ければ、いつでもどうぞと言いたいです。そんな彼女と庭や畑をうろうろ・・・


「わ!何これ?」
確かに何だ、この赤いのは?
むむむ??この葉っぱの上を見上げると、なんと黄色く熟れて腐りつつあるゴーヤがぶら下がっていました。と言うことは、これはゴーヤの種。実は緑、熟れると黄色、種は赤、って信号みたいな植物です。「黄色いゴーヤ、初めて見た〜!」へ?そうなの。あたしゃ毎年見てたな。なんの疑問も抱かず。

ねぇねぇこれ見て。何で半分だけ赤くなったんだろ。不思議ね。「あら、ほんと」と言いつつ、カラスのおどしをカメラに収めている彼女。
まだ家のちょっと前までしか行ってないのに母の「ご飯できたよ〜」と呼ぶ声。採りたての大根葉を使った菜飯と名物芋炊き、大根の漬物というなんとも質素なお昼でしたが、それはそれで美味しい。
「静かやね。なんにも音が聞こえん。」そう言われたらそうか、って今更気づくことが多いですな。当たり前だと思っていた田舎の風景は、見る人によっては新鮮に、そしてそれによってこれは決してどこにでもある物ではないと気づかされ、いつまでも自分の帰る場所があるといいなぁと思うのでした。
それからひとしきりワーキングプアについて話したり、近くのもんのすごい古い長屋に住みたいと言ってみたり、母親も加わってあーだこーだ言ったりして、大した話ではないんだけれど、こういう時間っていわゆる夢のような時間なのねって、後から思うのでした。さ、昼からは山に行ってこよ。

ここくらいしか、連れて来るところがないんよ〜。すまんね。
でも眼下には地図で見るような景色が見えますぞ。国道や高速道路もはっきり。あ、あの白いところは養鶏所。

彼女が気に入った柿の木。「柿の木って普通、葉っぱがついてるじゃん。この木は葉っぱがないよね。珍しい。」そう言えば・・・今日はそんなんばっかりね。田舎の新たな発見ができました。

さてと、山から帰ってきてススキをゲットしに畑に戻ってきました。この時期ならではの風景。色のついた派手な花はなくとも風情たっぷり。寒そうに風になびいているのがいいじゃぁないかぃ。「店に生けよっと」どんぞ、どんぞ、た〜んと持って帰りなされ。

「これ、ホトトギスよね。」さすがよくご存知。世話はできてないから、葉っぱが綺麗じゃないけど持って帰れば?あたしはホトトギスの花、好き。横のはインドからやってきた花なんよ。「へぇ〜」

「これは?」多分蕎麦の花だと思うよ。今頃みんな、ケールとか蕎麦とか色んなものを植えてるみたい。そういえば、枇杷の花も咲いてたよ。「え〜、今頃?」今花が咲いて、夏に向かって実が大きくなるのさ〜。

紫式部の紫色、綺麗だね。

ばあちゃんは栗の選別をするように母に言われていて、小さくなって虫食いのものとそうでないものを分けていました。訪れた人を時々捕まえて、話し込んでしまうのでご注意。つかまったら一時、立ち退くことはできません。


こうして家族以外の人が訪れるのは、私にとっても家の者にとっても、とても嬉しいことなんです。
そのうち田舎で合宿とかできるといいなぁ、と思っています。